老人ホームの庭
建物設計:K'PLATZ
庭 設計:庭園空間研究所 上田・山口
施工:庭園空間研究所 上田・池見・緒方・焼山
後藤造園
射場左官
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〔玄関横〕
筑後川沿いに建つ6階建ての建物。
玄関横の角地には、大きな桜の木と、溶岩石でデザインしたベンチ(ソファー型!)。
足元は 溶岩石のタイルと芝桜。
タイルは滑らないよう基本的にはギザギザした表面仕上げだけど、
アクセントに、ところどころつやつやの「磨き」タイルを飛ばしてます。
今は 植えたばかりの上に、葉っぱがなくて一番寂しく見える時期。
早く芝桜が覆ってくれないかな〜。
電柱やカーブミラーが、景色を邪魔してるけれど、、、そのうち桜が葉を茂らせて、カバーしてくれることを期待!
桜の花が咲いたらまたレポートせねば☆
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〔中庭〕
玄関を入ると、眼に飛び込んでくるのがこの景色。
ここは gouさん会心のデザイン。
扇形の中庭には、真っ白な大理石で作った階段状のオブジェが。
地面を真っ白の寒水石で覆って、まるで雪景色のよう。
寒水石が入った時、あたりが ぱあっ!と明るくなったのです。
曲線を描く「トクサ」は、生育旺盛。
もうしばらくするとぐんぐん茂って、緑のラインを優美に描いてくれるはず。
アールのラインに沿ってしっかり根止めをしてるので、茂りすぎてラインを崩す心配もありません。
5階からの眺め↓
デイルームから出入りできる大理石の三角形テラスには、常務さん(院長夫人)お気に入りの有田焼のテーブルセットが。
ここのテーブルセット、当初は、2階に置いてある黒や青の入ったものを置く予定だったため、オブジェのタイル(後ろの 窓の形とリンクさせたの)も、ブルーとグリーンに金の刷毛目のやつを選んでいました。
が、この赤い模様のテーブルに変更になったので、
「赤とか金色のタイルに変更したほうがいいんじゃないか?」
「それか いっそ貼らないほうがすっきりとまとまるのかな?」
と迷ったのだけど。。。
変更すると工期に間に合わないし、と、結局そのままに。
完成した姿を見ると、やっぱり、
「金色かなにかの 色味をあまり感じさせないものにしたらよかったなあ」
と ちょっとだけ後悔。
黒っぽい鉢は 常務さんのセレクト。上から見ると、渦巻き模様がきれいです。
そして、kaseさんから届いたとっておきの夜景写真。
夜の中庭を見るのは私も初めて!
手前味噌かもしれないけど、とってもきれいで、感動〜。
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〔風呂前〕
1階のお風呂前の庭は、目隠しをかねてポリカの障子風ついたてを作りました。
不規則な「桟」の配置がポイント。
石は院長先生がお持ちだった立派な青石。
春になると もみじの新芽が出て雰囲気アップ!
工事中はこんな感じ。がらっと雰囲気変わってますね。↓
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〔和室前ベランダ〕
和室前ベランダは御簾垣と、院長先生宅にあった灯篭を使って景色を作りました。
左側の御簾垣は、明るさ確保のため、一部を透かしたのがミソ。
工事前↓
竣工時↓
ここは、設計のkaseさんに指摘されて 安全性に配慮した仕様で作り直しをしたいきさつがありました。
kaseさん、ご心配おかけして、ごめんなさい。
でも、院長先生ご夫妻が、
「灯篭を活かしてくれた!」と、とても喜んでくださったのが、私はとても嬉しかったのです。
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〔屋上〕
骨格となる宿根草は丈夫なもの・四季折々で楽しめるものをセレクト。
あとは、入居者の方に完成させてもらう花壇です。
土は浅いですが、とても日当たりが良く、工事中も、花たちが日に日に成長してるのを感じてました。
野菜作り用オリジナルのプランターは、この屋上と、1階のデイルーム前のデッキにも配置。
お年寄りの方たちに、園芸や野菜つくりの楽しさを堪能してもらえたら嬉しいなあ。(*^_^*)
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〔デイルーム前〕
私にとって一番思い入れがあったのは、この、デイルーム前の庭。
子供の頃遊んだ 原っぱや 土手。
庭先でちぎって食べた柿やビワやイチジクの味。
そんな懐かしいイメージの庭にしたくて。
柿(甘柿と渋柿。渋柿は干し柿に!)・栗・イチジク・グミ・柚・ビワを植えました。
メッシュのフェンスには「ムベ」(アケビのような果物がなる つる植物)をからませて。
数年すると味気ないメッシュを覆って、「緑のフェンス」が出来上がるでしょう。(^^)
地面のグランドカバーは主にクローバー。私も小さい時よく花の冠を作って遊んでました。
土手部分からは、春になると ナデシコやタンポポなどなど、たくさんの素朴な野の花が芽を出して来ます。
私はこういう土手や原っぱが大好き!!
建築家の長谷川逸子さんもどこぞの屋上で使用したという「原生(はらふ)]というマット状の製品です。
今はまだ植物が一番寂しい時期なので、写真はピンポイントでご紹介。
パッと目を引くのは切り株を埋め込んだ、牧歌的な階段。
そして懐かしい風情の「土手」。
ウッドデッキからつながるスロープは、三和土ふうゴザ目仕上げ。
飛び石に導かれて歩くと、コナラの枝をくぐった先に小さな小さな池が三つ。
池のほとりには 今は黄色い水仙が咲いてます。
「木の枝をくぐって その先に進む」というのは、大人になってもやっぱり、
冒険をくすぐる、わくわくすることなのだと実感。(^^)
ほんとに春が来るのが楽しみ!
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入居されるお年よりの方が、ここで毎日張り合いを感じながら暮らしていただけたら
嬉しいなあ、と 心から思います。(^^)